岡倉天心の思想






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ニュー ス

幻の「白狐」が初上映
 2003年10月11日、天心が書いた幻のオペラ戯曲「白狐」が、はじめて上映される。
 信太妻の伝説を底本として天心が創作したもので、「安倍野の領主保名に命を助けられた白い狐が、人間の女性に姿をかえて、保名と幸福に暮らし子供もでき るが、やがて狐に戻らなければならなくなり、泣く泣く森に帰る」という悲しい愛の物語である。「白狐」には、天心が東洋の理想として称揚した「慈悲」の精 神が語られている。フィナーレでは、巡礼たちが「南無や大悲の観音さまよ」と何度も繰り返す。
 当時、作曲はボストン交響楽団のロフェラーに依頼されていたが、完成しないうちに天心は死去、やがてロフェラーも亡くなり、上映されないまま 90年の歳月が経った。今回、茨城大五浦美術文化研究所長の小泉晋弥らが中心となって企画し、ボストン在住のピアニスト、戸口純氏が曲をつけ、天心記念五浦美術館で初上映されることになった。

五浦の六角堂、登録文化財に
 2003年4月、国の文化審議会は、天心が設計した六角堂(茨城大学五浦美術文化研究所)などを、新たに国の登録文化財とする答申を文部科学相に提出した。
「茨城五浦展」スタート
 2003年3月13日、天心が初めて五浦を訪れてから100周年を迎えることを記念した「再興第87回院展 茨城五浦展〜天心、大観の精神を受け継ぐ画家たち」が、天心記念五浦美術館でスタートした(3月30日終了)。天心らが創立し、横山大観たちが再興した日本美術院の同人らによる作品68点を展示する。インドの高原を行く遊牧民を描いた平山郁夫氏の「故城下村民帰牧図」などが展示されている。
平山郁夫「故城下村民帰牧図」
http://www.tenshin-museum.org/tenrankai/030313_inten/index.htmより

岡倉古志郎氏 、死去
 2001年4月2日、天心の孫の岡倉古志郎氏が急性肺炎のため亡くなった。88歳だった。御冥福をお祈りします。
日本経済新聞が天心再評価の動きを特集
 「日本経済新聞」は、1999年11月13日付朝刊で、天心に関する特集記事を掲載した。記事は各地で進んでいる天心再評価の動きを紹介した上で、「経 済、政治など各方面で、再び日本がアジアに根をおろす姿勢を求められる今日、欧米とアジアに同時に通じた天心の可能性を、冷静に見つめ直す必要があるよう だ」と結んでいる。
企画展「岡倉天心とボストン美術館」
 「名古屋ボストン美術館」(Nagoya/Boston Museum of Fine Arts)は、1999年10月23日から、第2回企画展として「岡倉天心とボストン美術館」(中日新聞社など共催)を開催する(→[名古屋ボストン美術館])。

天心関連ニュース(過去の分)



愛と寛容の価値の称揚

 近年高まりを見せるアジア諸国の外交アプローチは、アジアの価値観を世界の進歩と発展に役立てたいというアジア人が持つ当然の意識によって支えられている。
 およそ100年前に岡倉天心らが唱えた「東洋の精神的観念がふかく西洋に浸透する時である」という主張を、いまマハティール首相らアジアの指導者がふたたび唱えている。「西洋は東洋をみならうときである」と。
岡倉天心(1862〜1913)
 明治時代の美術指導者、思想家。東京美術学校校長として日本美術復興を推進、やがて1898年日本美術院を設立。ボストン美術館東洋部長もつとめた。この間、インド放浪などを経て、『東洋の理想』『茶の本』などを英文で執筆し、仏教的価値を中核とする東洋思想を称揚した。
 「アジアの普遍的な価値観を回復・復興するためにアジア人が力を合わせていく」思想、すなわちアジア主義思想の父、岡倉 天心は、「西洋近代の弊害(パワーと効率への偏重)を克服する価値観として、仏教をはじめとする宗教的価値観(愛と寛容)がいかに貴重か」を世界に示そう とした。
 そうした有用な価値観を築きあげてきた東洋が欧米の支配下にあって、元気を失っている姿に天心は憤った。ここに熱烈な植民地解放闘争が生じる。
 同時に、近代以降、欧米に支配され虐げられたという点において、東洋は運命を共有していると天心は叫んだ。それだけでなく、いかに多様であろうとも、宗教を生みだし、育てあげてきた精神を維持している点において、東洋は一体であると説いてみせたのである(→天心の言葉)。
五浦の天心記念碑
五浦の天心記念碑


テーマ別天心論



天心著作関連サイト

『東洋の理想』
『茶の本』



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