ヨーク大学日本語科二学年読解・会話教材 AS/JP2000
6.0 Reading Comprehension and Dialogue
第30課「日本語弁論大会」 Lesson 30: Japanese Speech Contest ![]() トロントでは毎年三月上旬に「オンタリオ州日本語弁論大会」が開かれます。部門は四つあって、「初級」「中級」「上級」それに「オープン」です。
大学一年生は「初級」、二年生と三年生は「中級」、四年生が「上級」、日本語を家で話す人や、日本に長く住んでいた人の場合は「オープン」に出場します。スピーチの長さは、
初級が三分、中級が四分、上級とオープンが五分になっています。毎年オンタリオで日本語を教えている大学や、私設の日本語学校などからもたくさんの出場者があります。審査員は会社社長、大学教授、報道関係者などをふくめた七人からなります。賞品は非常に豪華で、最優秀賞は、日本行きの往復飛行機切符・小遣い・鉄道パスです。その外の賞品には、テレビ・カメラ・奨学金など色々あります。今年は十七回目で、三月七日土曜日の一時半からトロント大学のヴィクトリア・カレッジで行われます。 ヨーク大学で日本語の二年のコースを取っているユンさんは、中級に出たいと思っていますが、なかなかいい題が浮かびません。興味を持っているのは、「韓国の女性と日本の女性の違い」なのですが、まだ日本語がそんなにできないので、考えていることを上手に表現できなくて困っているところです。同じクラスの友達のローさんの話によると、もう大分書いているそうです。でも、彼女くらい日本語がよくできる人はあまりいないので、
ユンさんは自分がよく書けなくても仕方がないと思っています。それでも、やはり心配になって、今日は担任の西田先生に相談に行くことにしました。
「会話」Dialogue ユン:先生、弁論大会の題を考えているところなのですが、ちょっ ユン:ちょっと大きすぎるかもしれないのですが、韓国と日本の文 西田先生:いいんじゃないですか。でも、もう少し焦点をしぼった ユン:はい、それで、女性の結婚についての見方はどうかと思った ユン:たとえば、どんなタイプの男の人をさがしているか、男性に 西田先生:それはおもしろそうですね。同じ世代の友達の意見を聞 ユン:はい、そうしてみます。結果が分かったら、また相談にうか 西田先生:いいですよ。僕もそのトピックに興味があるから、ぜひ ユン:はい、分かりました。今日は本当にありがとうございました。 やっと題が決まってほっとしました。 西田先生:すぐ書き始めて、少しでも書けたら、持ってきてくださ い。見て直してあげますし、いい考えが浮かぶかもしれませ ユン:よろしくお願いします。また、オフィス・アワーにうかがい 西田先生:外の時間でもいいですから、電子メールででも連絡して ユン:失礼します。
©Norio Ota 2008 |